
青果と出会うまでと、それからのお話だよ。
バックグラウンド
バックグラウンド
思い返せば、とても良い子でした。言い換えると「考えない人」です。
学生までは常にバイト原則禁止・非推奨という環境でした。たいていの仲間は“原則”の隙間を狙って何らかのバイトをしていました。
一方私は“原則”を従順に守って、勉学に励みました。そしてある日、大学を卒業しました。学ぶ姿勢が認められ、学部代表として壇上で証書を受け取りました。
しかし今日までの禁止事項が、明日から当然に変わった瞬間でもありました。
当時まったく意味が分かりませんでした。
なんかよくわからないけど今生きるお金だけあればいいと思い、フリーターになりました。
- 飲食店(ホール・キッチン)
- 大学の講義補佐(Excel)
- 中学生の家庭教師
- 精肉加工業者
- コンビニの店員
- 医療事務
- ドラッグストアの品出し
- スーパーのレジ
- 研究所の実験補佐 etc…
最長記録は飲食店で、5年働きました。言い換えると他はあまり長続きしていないのですが、飲食店とコンビニ以外、外的要因で退職を余儀なくされています。たいてい、やる気はあるのです。
悩めるフリーター
毎日楽しく働いていましたが、勤務時間が不規則で収入も不安定でした。
さすがにもっと見通しの立つ、安定したところで働く必要があると思いました。
最初は正社員を探しました。
しかし田舎では正社員の応募要件に必ず「車を運転できること」という条件が記載されていました。私は免許は持っていても技術と車を持っていませんでした。
当時のハローワークの職員いわく



パチンコ屋しかないですね…
残念ながら、その業界にはまるで関心がありません。少しでも興味を持てて、安定したパートの仕事を探すことにしました。
・・・・・!
そこで目にとまったのがスーパーの求人だったのです。
青果部門では週5日フルタイムで働ける人を募集していました。ここしかないと思い、すぐに応募を決めました。
青果
「準社員」という名のパート募集なのに、面接のみならず入社試験まで課せられ、ものものしい工程を経て無事入社することができました。
しかし、入社したからO.K.というわけでもないのです。
- 小松菜とほうれん草って、どこが違うの?
- そもそも果物の名前わからない…
- 生しいたけって、生で食べられるの?
・・・まるで、あてにならない店員でした。
【注意】生しいたけは加熱が必要です
青果に力を入れている企業だったので、1年半の間、社員つきっきりでみっちり教え込まれました。
大変なご苦労をかけたと思いますが、おかげで作業場の仕事は一通りわかるという自信をもちました。
そういった背景もあり、青果の仕事はとても好きでした。
一方田舎には店舗も少なく、車を持たず就職することのみならず生活することさえ難しいという現実がありました。そこで、車が必要ない都会に出ることを考えました。
このときまず青果の仕事を探したのですが、ちゃんと地元に家があって、安定して働ける人を求めていたので、うまくいきませんでした。
「私を雇ってくれたらどこにでも行きます」とあらゆる方面に応募を続けていたら、東京の企業から内定をいただくことができました。タイ料理を中心に料理店を運営している会社でした。
飲食店
東京に来て、飲食店の正社員になりました。
気のいいメンバーたちと楽しく仕事をしました。
ところが、困ったことがありました。
体質的に油が苦手で、一度加熱した油が手についたらかぶれるし、揚げ物は体があまり受け付けなくて食べられないのです。それでもメニューにあるので、作らなければなりません。
ちゃんとできているかどうか、自分でわからないものをお客様に提供するのは、非常に心苦しいものがありました。
職場での実務にはすぐに溶け込んだものの、どうにも居たたまれず、1年で辞めました。
青果の魅力
学びなおし
再び青果でパートとして働きはじめました。
まずはお店にある野菜をすべて買ってみました。
どの商品について聞かれても答えられるようにしたかったのです。
季節の移ろいに合わせて商品も変わるため数年かかりました。さらに毎年、新しい野菜や果物が現れて、まさにエンドレスです。
だけど地道に学んだおかげで、商品説明のためにお客様からご指名いただけるようになりました。
自分が買い物をするときにも、安くておいしい旬の時期を逃さず手に入れられます。また、旬が過ぎてしまって、傷んでいる可能性が高い商品を避けられるようになりました。



見切り品の中から、まだ新鮮なもの、食べ頃のものを見つけられるようにもなったよ!
そして、いつしか青果売場に来て10年以上の月日が流れました。
活気のある人々
田舎の青果で働いていたとき、生産者が店舗に来ることがありました。きくらげ、フルーベリーなど育てた商品を売り込むのです。



うちのが一番、うまいからね!
・・・カッカッカッと笑いながら
楽しそうに、お客さんとお話をしていました。
また、売り出しの日には、地元農家の第一人者がスーパーに来ました。
自ら作物を商品化して店頭に出し、売り込みます。
生産者が仕事に誇りと熱量をもっていて、スタッフも巻き込まれて、どんどん売りたくなる。
とてもすがすがしい空気感でした。
ルーツを知る
ある日、青果のスタッフが言いました。



昨日雨だったから、今日のレタスは水がいっぱい入ってるね。
また別の日、お客さんが言われました。



なんて立派なブロッコリー。うちで作ってもこんなのできないよ。
生産地の状況によって、作物の状態や育ち方が変わります。年によって少しずつ、旬の時期が違います。
お店の野菜や果物は、どこかで誰かが育ててくれて
生産地から運んできてくれています。
それをはっきりと感じられるのが青果のおもしろさです。
さいごに
以上のように歩んできたわけですが・・・
せっかくなのでここで情報を共有したいと思い、ブログをはじめました。
青果を知ることで、よりお得に、より豊かな生活を楽しめるようになります。
禅寺丸の世界観
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青果以外の日記などを書いています。
ここでは禅寺丸柿ですが
あちらでは いもむしの姿です。