お菓子に最適!ブラムリー

プロフィール
分類 | りんご |
旬 | 8月~9月 |
原産地 | イギリス |
重さ | 200g~500g |
食味・特徴
8月~9月のごく限られた時期に出回る、希少なりんごです。年によって、出回る時期やサイズが大きく変わる品種です。

2025年は10月に長野県産が手に入ったよ!


今回のものは300g越えの大きめサイズ。


表面はどちらかというとマットな質感で、およそ緑色をしています。ボコボコして傷があり、ちょっと無骨な見た目です。果皮からはとても甘い、りんごのお菓子のような香りが漂います。
外皮は固くなく、果肉は柔らかいほうだけどサクサクして、食感は悪くありません。しかし、甘味もそこそこあるものの、強烈な酸っぱさに圧倒されます。紅玉の上を行きます。渋みは感じられませんでした。
甘い香りを生かして、お菓子に使うのが最適だと思いました。もとがとても酸っぱいため、砂糖を入れてもやっぱり酸味が強めになります。
加熱すると溶けやすいのでジャムやゼリーが向いているかもしれません。一度ジャムにしたあとケーキに混ぜ込んだり、パイのフィリングに使ったりするのも良いですね。






今回の果実は芯カビが入っていました。購入者は気にするところですが、芯の部分を取ってしまえばふつうに生で食べられます。ブラムリーはとても酸っぱいですが、芯カビは食味が良い品種によく発生します。
イングランドではポピュラーなようですが、世界的にみてもレアな品種です。日本でも激レアで、見つけたらその場で購入する必要があります。さもなくば、次出会うチャンスは翌年以降です。
由来
1809年、イギリスのノッティンガムにある、コテージに家族で住んでいた少女が庭に種を蒔いて育てたのが始まりです。
37年後、コテージを買い取った肉屋のマシュー・ブラムリーさんは、そのりんごの木の実をとても気に入りました。そして、近所の人々にも分けました。
苗木屋のメリーウェザーさんはそのりんごに着目し、「ブラムリー」と名づけることを条件として、枝を分けてもらいました。
そしてメリーウェザーさんは、ブラムリーを多くの品評会に出品し、高い評価を受けました。ブラムリーはイギリス中に知れ渡り、広く愛されるようになりました。
実のところ、現在広まっているブラムリーは挿し木によるクローンで多くは変異体のため、オリジナルとは風味がわずかに異なるようです。
まとめ
- 8月~9月のごく限られた時期に出回る、希少なりんご。年によって、出回る時期やサイズが大きく変わる品種。
- 表面はどちらかというとマットな質感で、およそ緑色。ボコボコして傷があり、ちょっと無骨な見た目。果皮からはとても甘い、りんごのお菓子のような香りが漂う。
- 外皮は固くなく、果肉は柔らかいほうだけどサクサクして、食感は悪くない。ただし甘味もあるにはあるけど、酸っぱさに圧倒される。渋みは感じられない。
- 甘い香りを生かして、お菓子に使うのがオススメ。もとがとても酸っぱいため、砂糖を入れてもやっぱり酸味が強めになる。 加熱すると溶けやすいのでジャムやゼリーが向いている。
- イギリスではポピュラーだけど、世界的にみてもレアな品種。見かけたら、その場で購入すべし。
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芯カビについて


参考
杉山芬・杉山雍『青森県のりんご 改訂版』公益財団法人 青森県りんご協会, 2016, pp.218-219.
「Bramley Apples」(Specialty Produce)(https://specialtyproduce.com/produce/Pink_Lady_Apples_1008.php)